演劇「人形の家パート2」を観てきました
昨日、演劇「人形の家パート2」を観てきました。
この舞台は、イプセンの傑作「人形の家」の続編として書かれた作品です。
アメリカの劇作家であるルーカス・ナスの作品で、2017年度のトニー賞にもノミネートされました。
イプセンの「人形の家」は、140年前の1879年コペンハーゲンで出版され、世界的に有名になりました。
愛と結婚についての物語で、後半の衝撃的な展開が、当時衝撃を与えたことで知られています。
一般に女性の自立の作品と捉えられていますが、当のイプセンは、晩年、女性解放のために作ったわけではなく、
あくまでも人間の問題を描きたかったと語っています。
「人形の家パート2」は、主人公ノラが家族を捨てて、家を出てから15年後の話です。
ノラの主張は、まさに現代の人間の本質的な問題を提起しています。
「考えてみて。結婚は残酷で、女の人生をぶち壊しにするのよ」
「今から20年か30年経てば、人は、一生にたくさんの相手を持つ、一度に何人も持つかもしれない、
夫婦と夫婦の間に引かれる線はなくなり、嫉妬もなくなる。だって、嫉妬する理由がないんだもの」
「今から20年か30年経っても世界は、私が言うような場所にはならないでしょう。私が、そうなるようにしなければ」
「ほとんど2年かかった、2年間の沈黙。自分の声が聞こえるようになると、自分が何が欲しいか考えられるようになった。
他の人が欲しいものとは全然関係ないもの」
9月1日まで東京で上演され、その後は、全国で上演されます。
本好きや読むのが得意な人は、演劇雑誌「悲劇喜劇」(早川書房)の9月号にのっている脚本を読むといいと思います。