かつてのアップルや東芝、アメリカのフランチャイズ系の会社、ドミノピザやセンチュリー21など多くの企業がガーバーの理論を学んでいます。
わかりやすい事例を参考にして、ワークシートの13の質問に答えるだけで、ガーバー流の仕組み化に取り組むことができます。
誰もが一流の仕事ができるようになるための秘訣。
その答えが、行動の「マニュアル化」にあります。「マニュアル人間」などと揶揄する言葉があるように、マニュアルには少々悪いイメージがあります。
しかし、本来、マニュアル化とは「凡人を非凡にするすばらしい仕組み」なのです。
典型的なのは、マクドナルドや吉野家やセブンイレブン。高校生でも短期間のトレーニングで一人前の仕事ができるようになっています。
それは決して「仕事が単純だから」ではありません。すぐれた仕組みがあるからこそ、誰がやっても一定のクオリティの仕事ができるようになっているのです。
マニュアル化こそが、ガーバー流「仕組み化」の本質
「誰がやっても同じようにできるようにすること」がマニュアルの役割であるという意味では、このマニュアル化こそがガーバー流「仕組み」経営の本質であります。
ガーバーの起業家育成プログラム「ドリーミングルーム」そのものが、高度に「仕組み化」されているのです。
わずか3日間の短期集中トレーニングを受けるだけで、その受講者側が今度は「高度な起業プログラム」を教える側にまで成長できるようになっています。
なぜそのようなことが可能なのか?
最大の秘訣は優れたマニュアルにあります。「ドリーミングルーム」にはステップごとに手順が書かれたマニュアルが存在し、それに沿って読み進めていけば、誰にでも簡単にプログラムを進行することができるようになっています。
社長の仕事は、社内のありとあらゆる仕事について、こうしたマニュアル化を進めていくことにあるのです。
いや、この仕事だけはさすがにマニュアル化することはできない」などと思わないで。
むしろ、「社内にマニュアル化できない仕事など、一つも存在しない」という思いで、徹底して仕組み化しない限り、会社の飛躍的成長は望むべくもないと考えるべきなのです。
マニュアルには「4つの項目」が必要
マニュアルを作成する場合に必要なのは、次の4つの項目です。
①目標
②役割
③必要なもの
④ステップ
①の「目標」とはそのマニュアルの仕事を通じて実現したいのは何なのかということです。
②の「役割」はその仕事の責任者、③の「必要なもの」はその仕事に必要な道具。
④が実際の業務で必要となる手順だが、この部分は実際に仕事をしてみて、「記録」を取りながら作成するのがおすすめです。
ある従業員Aが作業しているのを別の従業員Bに観察させ、Bがそれをステップの形に落とし込むのが最も確実であります。
それをやっても最初はおそらく「抜け」だらけの不完全なマニュアルしか出来上がりません。
そのため、マニュアル作成から一定期間が経過したら、「改善ミーティング」を開催し、追加・改善すべきポイントを列挙しましょう。
このミーティングは何度も行う必要はありませんが、一度やるだけでもマニュアルの精度を上げるのには大きく寄与するはずです。
『マニュアルの作り方』マニュアル
■マニュアルの定義
マニュアルとはベストと思われる作業の手順(順番)を記録したものです。
■マニュアルの役割
誰がやっても同じような品質、時間できるようにするのが、マニュアルの役割です。人によってレベルに違いがあってはマニュアルとはいえません。
■マニュアルの作り方
マニュアルの作り方は、やりながら作るのが一番です。それができない場合は思い出して書くことになります。
【1】目標
あなたがいなくても、あなたの代わりに他の人がその作業をできるようにすることです。
【2】役割
まず自分で作りましょう。または一番作業に習熟した人に作らせましょう。
あなた以外の人でもあなたと同じように作業ができるマニュアルを完成させることです。
【3】必要なもの
ノート、ペン
【4】ステップ
STEP1:どの作業をマニュアルにするかを決める。
負担が多いと思っていること、簡単にできること、毎日反復継続していること。
STEP2:その作業をやるために必要なものを列挙する。
例)朝のミーティング:クレド、本や小冊子、経営計画書
STEP3:一番最初にやることを書く
例)8時30分に全員起立する
STEP4:その次に何をしますか?
例)朝礼の司会者がおはようございますとあいさつをする。
以下続く
補 足
実際にやってみて、誤り、不足、不明確がないかどうかチェックします。
マニュアルはそんなに難しくありません。やったことを書くだけです。